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JPEN

おもてなしのサフランティー 
花小町 本田シェフ

底冷えのする凛とした冬の朝、本田シェフが旬の地域食材を求めて芦北町を訪問されるとのことで、同行させていただきました。

大関山の山頂にほど近い、無農薬野菜の圃場を生産者さんと散策し、ひとしきり野菜の話を聞いた後「体も冷えただろうからお茶でもどうぞ」とお招きいただきました。

招き入れられた土間の部屋は、据えられた大きめのストーブで温かく、どことなく懐かしい、心落ち着く空間でした。

お茶うけに並べられていたのが、大ぶりに切られた大根の煮つけ、ニンジン葉の天ぷらとガネ揚げ。大根の煮つけは、輪切りにして角を落とした丁寧な仕事ぶりで、味の染みた感じとわき立つ湯気が小腹をくすぐります。ニンジンの葉の天ぷらは、農家さんならではの料理。葉付きで売られる野菜が少なく、家庭ではなかなかお目にかかれません!そして、ガネ揚げ。サツマイモの天ぷらですが、短冊状に切って揚げるため、その姿がカニに似てることからガネ揚げと呼ばれる郷土料理であり、田舎のおやつ。

そして、そこで出会ったのが国産のサフラン!水俣・芦北地域は、珍しいサフランの産地なのです。手間が係るため、今では極少量の生産規模になっていますが、お邪魔した農家さんでも自家用として栽培されてました。こちらのご家庭では、薬代わりにサフランティーを飲用されている(なんて贅沢)とのことで、サフランティーも御馳走に。

貴重なサフランをばっさと掴んでティーポットに入れお湯を注ぎ、しばらく抽出すると鮮やかなオレンジの水色に変わり、高貴な香りが立ち込めます。話も弾み、旬の食材を余すことなく使った「これぞおもてなし」といったひと時を体感させていただきました。

農家さんのお心遣いに感謝するとともに、食の奥深さを学ばせていただく貴重な機会となりました。

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