年に一度のからすみ作り (葺屋)
今回は、新たなプレミアムコースをご紹介します。熊本市上通、長崎書店の道向かいのビルで、大将と女将2人で切り盛りする「葺屋」です。「上質な大人な空間」という言葉がぴったりで、看板がないにも関わらず、多くのお客さんが何度もリピートする、人気の和食店です。
肌寒くなってきた11月の深夜0時、営業終了後の葺屋では、年に一度の恒例行事が始まろうとしていました。この日、熊本市西区の田崎市場から仕入れたのは40本ものボラの卵。そう、葺屋名物のカラスミ作りです。
まずは下処理。裁縫の針を使い、大将と女将が黙々と血を抜く作業を行っていきます。「少しでも血が残ると雑味に繋がる」と、細かな血の残りも見逃さない・・・この作業、なんと明け方まで続きます。終わる頃には、目も、肩も、手も、疲れで一杯なのが簡単に想像できます。美味しさのために手を抜かない姿勢に感動します。
丁寧に下処理したら、次は焼き塩と粗塩を独自にブレンドした塩で覆います。カラスミの大きさに応じて、塩に付ける時間を細かく調整するこだわりぶり。一週間ほど塩漬けして適宜水切りをする行程を繰り返すのが一般的なカラスミ作りですが、葺屋では塩漬けする期間は短く、代わりに熊本のお酒「赤酒」に漬け込んで仕上げるのが特徴。赤酒を使っているため、出来立てのカラスミでも、熟成したかのような黄金色に輝いています。
とっても気になるこの味は・・・ぜひ皆さんの舌で確かめてください。葺屋のプレミアムコース情報、楽しみにお待ちください。