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日本料理「弁慶」・寿司処「橘」
中島幹夫・小野紀生セレクト「萩見窯」

見目麗しい日本料理。その一品ひと品を引き立てる器をセレクトすることは、職人にとって大事な仕事のひとつ。

「ホテル日航熊本」ホテルのフランス料理「レ・セレブリテ」でも採用している宇城市「萩見窯」は、中島さん、小野さんも気になっていた窯元。今回、プレミアムコースを彩る器として5つをオーダーした。

仕上がった器が納品されると、サイズやデザインはもちろん、サーブする人のことまで考えた見事な仕上がりに、2人はもちろん、スタッフ皆が感嘆の声を上げたと言う。

寿司、八寸などを盛り付けるためにオーダーした器

「盛り付けるイメージをしっかり持たれていたので、そのほかは自由にさせていただけて嬉しかったです」と「萩見窯」の井銅心平さん。

井銅さんは、大学を卒業後、佐賀県・唐津の「隆太窯」中里太亀氏に師事。帰熊し、昔から窯場があり、粘土が採りやすい宇城に惹かれ、2010年に窯を構えた。

「この器には何を盛り付けようかなと、料理のイメージが湧く器を作りたい」。器づくりへのぶれない芯に、地元の土や修業を重ねた佐賀の土などを使い、粉引きや三島、焼き締めなど、表情さまざまな器を手掛けている。

特に、今回八寸の器に採用した青銅色は、同じ釉薬でも焼き方を変えたことで生まれた色。「この釉薬にはこの焼き方と決めつけていましたが、決めつけないことで可能性は広がるんだと感じました。おかげで10年もかかってしまいました」と井銅さん。

器づくりへの真面目さが取り柄ながら、柔軟さも大切だと気付かされた出来事だったと話すが、すでにこれだけの表情豊かな器を手がける井銅さんは、十分柔軟ではないだろうか。

温厚な性格と柔らかな表情。その一方で、黙々と土と向き合う表情は真剣。声をかけるのをためらってしまう。だからこそ生まれる、使いやすく、手に馴染む器たち。

例えば、お茶碗にご飯をよそってみるとしよう。片手でスッと持てて、軽すぎず、重すぎずちょうど良いのだ。

購入した際には、「半日水につけてから使ってください。レンジは温め程度、食洗機は大丈夫ですが、乾燥機能は乾燥しすぎるため使わない方が長持ちします」とアドバイスもくれる。使うたびに食卓に馴染み、気づけばその家に寄り添い趣が変わっていく井銅さんの器。

手に取り「何の料理を盛り付けようかな」と想像を膨らませてみよう。食事がもっと楽しくなる、お気に入りの器に出会えるはずだ。

店舗情報

萩見窯

〈住所〉熊本県宇城市松橋町萩尾146-3

〈TEL〉0964-53-9354 ※不在の場合もあるため来店前に電話を

〈営業時間〉10:00〜17:00

〈休み〉不定休

〈公式HP〉https://www.hagimigama.com

〈公式SNS〉Instagram @hagimigama

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