人吉温泉 あゆの里 栗原健一select
「蓑毛㊀鍛冶屋」料理包丁
皆さんの家庭には、どんな包丁があるだろうか。手入れのいらないステンレスの包丁が主流になった近年、「誰がつくったものか」分からないものが多くなってきた。それは、道具への愛着も減らしてしまうことにつながっている。

人吉球磨には、250年以上という長い間、料理包丁や草刈り鎌など、日常の道具を作り続けている鍛冶屋がある。それが、「蓑毛㊀鍛冶屋」だ。

日常に寄り添った道具をメインにしながら、プロも惚れ込む仕上がりだと評判。「あゆの里」料理長の栗原さんもその一人だ。

江戸から続く歴史を現在、守っているのは、8代目の蓑毛裕さん(90歳)、9代目の稔さん(60歳)、10代目の勇さん(30歳)の親子3代。幅広く使用できる三徳包丁や、小型の魚をさばくアジ切り包丁(小出刃包丁)をはじめとしたさまざまな包丁・鎌を製作している。

3人の鍛治職人は、世代もバラバラだが、互いに尊敬し尊重し合い、不変なものと新しいものを融合させ進化をし続けている。その一つが、勇さんのアイデアで生まれたアウトドアナイフだ。

「祖父は、『一生修業』と言って90歳になった今でも現場に立って作業をしています。私も日々、同じ作業の中、祖父や父の仕事から大事な気づきをもらっています。その経験に加えて、自分にしか出来ないこと、今しか出来ないことに挑戦したいと考えています。」(勇さん)

キャンプが好きで生まれたアウトドアナイフは催事などでも評判で、若い世代の顧客も増えていった。「うちで作っているのは生活の道具。買って終わりではなく、手入れをして育てていくモノです。大事にしていただいて、メンテナンスをしにお店に来てもらったりすると嬉しい。感謝の気持ちでいっぱいになります。実は、同年代の鍛治職人が増えているんです。この技術は、未来にしっかりと繋げます」と勇さん。

毎日を共にする生活の道具。丁寧な暮らしには欠かせない一本を手にしてみてはいかがだろう。
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店舗情報
蓑毛㊀鍛冶屋
〈住所〉熊本県人吉市紺屋町 下薩摩瀬町1596-3
〈営業時間〉8:00〜17:00
〈電話番号〉
〈公式SNS〉Instagram https://www.instagram.com/minomo_kajiya10second/