「海月」 宮下剛セレクト
「天草酒造」本格芋焼酎「池の露」
料理と酒の相性は、食事の時間に欠かせない。「海月」には、明治32年創業、天草唯一の酒蔵「天草酒造」の焼酎が並んでいる。
宮下さんが、「天草酒造」の平下豊さんの存在を知ったのは、10年以上前のこと。料理好きで知らない人はいないほど有名な全国誌に平下さんが掲載された記事を読んだことがキッカケだ。
18歳までを天草で過ごし、修業に出た宮下さんにとって、地元酒造の情報は皆無。帰省後に雑誌を見たことで知った平下さんは、1歳差と歳も近い。「年も近いのに雑誌に載っていてジェラシーでしたね」。34歳の頃飲み会で同席すると、そのことを伝え、以来、交流が続いていると言う。
「天草のマリアージュ」をテーマにしている「海月」だからこそ、こうした作り手との交流は欠かせない。
見た目もそっくり、故郷を愛する熱い想いもそっくりな平下さんは、「天草酒造」で生まれ育ち、東京農大で発酵を学び、焼酎作りに取り組んでいる。
「誰にでも飲んでもらわなくていい」と割り切り、生産性よりも手作りにこだわっている点は、誰にでも真似できるものではない。
17年前に復活させ、代表銘柄にもなっている本格芋焼酎「池の露」を「オールラウンドプレイヤー」と位置付ける平下さん。鶏も牛も魚もある、食の宝庫・天草の「食」に合うような味わいに、手間暇をかけてたどり着いたと言う。
ラベルに描かれているのは、蔵からの景色。ここにも、天草唯一の酒蔵として、天草の景色をうつした。
手作りにこだわるあまり、「農家さんへのリスペクトを持とう」と原料の自社生産にも取り組み、自ら苦労を経験。焼酎の専門家だからこそできる、焼酎にふさわしい芋・米作りを行っているのだ。
米を収穫した後の藁は、「海月」の調理に使われる。「鰆を藁焼きする際に使ったり、燻製醤油を仕込む際にも使っています。見えないところにも天草を感じてもらいたいですし、作り手との交流があるからできることです」と宮下さん。
「天草酒造」の焼酎を味わい、「海月」の寿司を味わい、豊かで厳しい天草の海。
蔵から望む、この景色を思い浮かべたい。
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店舗情報
合同会社 天草酒造 KANPAIAMAKUSA
〈住所〉熊本県天草市新和町小宮地11808
〈Tel〉0969-46-2013
〈営業時間〉11:00〜16:00(水曜休み)※営業日は仕込みや天候などによって変更の可能性あり。Instagramで確認を
〈公式HP・SNS〉
Facebook https://www.facebook.com/ikenotsuyu
Instagram @ ikenotsuyu_amakusa_distillery